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村田理沙の「ゴルフ人生はこれからが本番!」【最終回】海外へのチャレンジは人生を豊かにする

こんにちは、プロゴルファーの村田理沙です。今回、短期連載の場をいただいたのですが、縁となったのは私が米国の下部ツアー「シメトラツアー」でプレーしていたこと。日本ではあまり知られていないシメトラツアーの実態を、私自身の目標も加えてお話ししていきたと思います。

配信日時:2020年12月9日 10時30分

【最終回】海外へのチャレンジは人生を豊かにする

こんにちは、プロゴルファーの村田理沙です。今回、短期連載の場をいただいたのですが、縁となったのは私が米国の下部ツアー「シメトラツアー」でプレーしていたこと。日本ではあまり知られていないシメトラツアーの実態を、私自身の目標も加えてお話ししていきたと思います。

村田理沙、夢に向かってジャンプ!【写真】

皆さんはプロスポーツ選手にどんなイメージを抱いているでしょうか? ごく当たり前の回答になってしまいますが、その分野の技術面に優れ、それを披露して報酬をもらい、スポーツの発展に寄与する、といった感じだと思います。

披露する場所がないとすれば? プロスポーツ選手の危機といえるのは間違いないでしょう。イベントに携わっている方も含め、プロスポーツ界は苦難の1年だったと思います。

試合が次々になくなっていく状況に対し、不安を覚えなかったといえばウソになります。私自身、「これからどうしていけばいいんだろう」と悩みました。でも、気持ちを切り替えるしかなかった。

「試合がないからできることは限られるけど、それはみんな同じ。この時間をどう使うかで、私のゴルフ人生は変わってくる」

シメトラツアーに行って学んだ「今、できることを精いっぱい頑張る」。このコロナ禍でぶれなかった私がいるのだから、やっぱりシメトラツアーに挑戦してよかったし、米国での経験は本当に貴重なものとなりました。

ゴルフの練習ができないときは本を読んだ。どうせ将来行くならと、アメリカの歴史にチャレンジした。苦手な(笑)英語も学んだ。そして、試合勘を失わないように、ワンデーのミニツアーにも臨んだ。参加費を払ってそれを賞金に充てる大会ですが、お金だけではない価値があるものだったと気づくのは、もう少しあとのことでした。

話を先に進めると、私の2020年開幕戦はレギュラーツアーの「アース・モンダミンカップ」(6月25〜28日)となりました。実はマンデーを勝ち上がっての出場でしたが、ここでミニツアーの経験が最初に生きた。1日勝負の緊張感に勝ったという感じです。

残念ながら本戦は予選落ちでしたが、その後の成績を記しておきます。

●レギュラーツアー
日本女子オープン(10月1〜4日)40位タイ
伊藤園レディス(11月13〜15日)予選落ち
●ステップ・アップ・ツアー
rashink×RE SYU RYU/RKBレディース(8月18〜19日)39位タイ
ユピテル・静岡新聞SBSレディース(9月18〜20日)37位タイ
中国新聞ちゅーピーレディース(9月23〜25日)14位タイ
かねひで美やらびオープン(10月8〜10日)14位タイ
ダイクレレディース(11月4〜6日)14位タイ
カストロールレディース(11月17〜19日)25位タイ

ステップは予選カットがある5試合で、すべて決勝ラウンド進出。その間に開催された「日本女子オープン」も、最終的には40位タイでしたが予選を通過しました。

私には精神的な面で二つ課題があります。まず、初日に比べて2、3日目がよくないので、ステップの目標は最低限でも予選通過。これを達成できました。そして、レギュラーツアーに行くと、とたんに体が動かなくなる。プレッシャーかもしれませんが、3年ぶりの出場となった「日本女子オープン」で苦手意識が払拭できた。少し力がついたのかなと自信になりました。

ただ試合をこなすだけではなく、目の前の試合に全力で臨む。シメトラツアーで培ったものだし、たとえ前半が悪くても絶対にあきらめずにプレーする。これはミニツアーで学んだものでした。

毎試合の成長を実感できた2020年。振り返ればコロナ禍で大変な世の中でしたが、私の中では歴史の大きな1ページです。これから自分の調子が悪くなることがあるかもしれないけれど、続けていけば絶対に状況は変わるはず。強く願えば行動も変わる。上を見続け、結果に左右されずに生きていきたい。私は必ずもう一度、米国にチャレンジする。年下だけど河本結ちゃんのチャレンジは励みになるし、彼女に比べたら私は遅いかもしれないけれど、年齢的には問題ないと思っている。やってできないことはない、という証明をしたいのです。

今回で連載は最後になります。私のつたない文章にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。ラストメッセージは「海外へのチャレンジは人生を豊かにする」ということです。皆さんもチャンスがあったら、ぜひ挑戦してみることをお薦めします。それではよいお年をお迎えください!

※追伸
12月1〜3日、増枠予選会のファイナルステージが行われました。これは2021年に開催されるレギュラーツアーやステップ・アップ・ツアーに関し、主催者や共催者の同意が得られた場合、総出場人数を増枠することも考えられ、その出場優先順位を決定するものです。

ファーストステージを突破しファイナルステージに臨みましたが、おかげさまで9位にはいることができました。まだ何試合とはいえませんが、10位以内だと2021年のレギュラーツアーに数試合は出場できる可能性も十分といわれています。

特に、パッティングがよかったですね。スイングは3日間違和感があったけれど、その中でもショットをまとめることができました。最終日は緊張との戦いでしたが、とにかく今できることを精いっぱいやったと思います。

アメリカに行って正解だったか失敗だったか、それを決めるのは帰国してからの自分だとプレッシャーもかけていた。今回の結果は「行って成功した」への一歩だと思うので、これからもいろんな挑戦を続け、こつこつ成長していきたいです!

■村田理沙(むらた・りさ)
1995年6月22日、東京都三鷹市出身。身長161センチ、体重52キロ。祖父母の影響で8歳からゴルフを始めた。杉並学院高校(東京都)から山梨学院大学(山梨県)に進学したが中退し、まずは日本のプロテストに専念。3回目の2016年7月29日に合格し、晴れて正式な女子プロゴルファーとなった(88期生)。2019年には米国下部「シメトラツアー」でプレー。帰国後に日本のQTを受け99位の成績だったことから、今年はステップ・アップ・ツアーを主戦場としている。アメリカ人の父と日本人の母を持つ美人プロとしても有名。ゼビオホールディングス所属。

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