「神様に与えられた試練を精神力で乗りこえられたからこその神様からのご褒美かもしれません」と大山が試合後に語っていたが、その精神力を形づくっているのは、どんなときもあきらめず、攻め続けるスタイルだ。
「終盤に3〜4打差開いていても、平気でバーディパットを1mオーバーさせる。16番パー3では、普通の感覚であれば、グリーンセンターを狙って、2パットでパーセーブ…という気持ちが芽生えていると思いますが、ピン一直線に打ってきた。あのスタイルがあるから、40歳を超えても勝利をつかめる。実際は、通算18勝どころか、もっと勝っていてもいい選手。勝ちゲームを落とした経験もありますが、それは攻めに徹するから。駆け引きせずに最後まで攻めて、運気を引き寄せようとするスタイルを曲げない」
絶えずに攻め続ける姿勢にファンは引きつけられるのだろう。
「以前、大山さんから『攻めゆえの失敗は後悔しない』と聞いたことがあります。いまでもそれを守っている。だからこそゾーンに入ったときはすごい。私は、今大会最終日は、いくら大山さんでも最後までもたないと思っていました。最終日前に、優勝圏内にいた上田さんと『8アンダーまでいけばチャンスはあるよ』とやり取りをしましたが、大山さんが前半のバーディラッシュで一人抜け出した。試合後、上田さんも『大山さんは本当にすごい人ですね』と話していましたね」
■大山さんを見て“年齢関係なく伸びるんだな”と思い知らされた