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内田ことこが史上5人目快挙 雪国の少女を導いたレジェンドとの出会い【2025年“この1シーン”】

白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。今季全36試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年12月22日 12時28分

地元でツアー初優勝をつかんだ内田ことこ
地元でツアー初優勝をつかんだ内田ことこ (撮影:福田文平)

白熱のシーズンが終わった国内女子ツアー。今季全36試合を振り返り、大会ごとに印象に残った“1シーン”を紹介する。

【写真】内田ことこさんがドレスアップしました

■ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ(7月10~13日、北海道・真駒内カントリークラブ 空沼コース、優勝:内田ことこ)

クールな22歳が、地元で涙を流した。内田ことこが初日から首位を守り切る完全優勝でツアー初Vを飾った。国内女子では史上5人目となる快挙。地元・北海道でつかんだ初優勝は、コロナ禍の窮地を支えてくれた“縁”の積み重ねが導いたものだった。

最終18番パー4。2打目をピン右手前6メートルにつけた時点で、5打のリード。勝利はほぼ確実だった。最後はバーディで締め、完全Vを完成させると、待ち受けていたのは北海学園札幌高の先輩・政田夢乃や宮田成華、同学年の仁井優花ら。祝福のハグを受けた瞬間、張りつめていた感情が一気にあふれ出た。

「初日からいいスコアで回れて、優勝を意識しながらの4日間だった。最後はバーディを取って、いい形で終わりたいと思っていた。地元で初優勝ができて、良かった。いつも一緒に練習している選手の人たちが待っていてくれて、顔を見たら、やっぱり涙が出ました」

北海道南幌町出身の内田は、2002年10月4日生まれ。同学年には岩井明愛・千怜姉妹、桑木志帆、佐久間朱莉らが名を連ねている。プロテストには21年6月に一発合格したが、その道のりは決して平坦ではなかった。

高校3年時に受験予定だった最終プロテストは、コロナ禍の影響で約8カ月延期。雪に閉ざされる北海道では、屋外練習がほぼ不可能になる。そんな危機を救ったのが、父・崇広さんの行動だった。

「父が探してきてくれて、そこで練習させてもらいました」

向かった先は、栃木・東松苑ゴルフ倶楽部。中嶋常幸の弟でプロの和也氏が社長を務め、父・巌氏が心血を注いで造り上げたゴルフ場だ。冬の間、そこで練習に打ち込み、技術と向き合った。

「常幸プロが練習に来られたときには『一緒に回るか』と声をかけてもらったこともあります。“とにかくすごい人なんだ”ということくらいしか知らなかったんですけど」。プロテスト合格後も合宿に参加し、通算48勝を誇るレジェンドの技術を間近で学んだ。

感情をあまり表に出さないのが内田の特徴だ。昨年の「宮里藍 サントリーレディス」では、最終日首位スタートから3位に終わったが、「また頑張ろうと思った」と淡々と受け止めていた。「さばさばしているとよく言われる」という一方で、「一喜一憂するタイプ。それをいい方向に持っていけるように努力している最中です」と内面を明かす。

今季17試合目で6人目の初優勝者。スター不在といわれる女子ツアーに、新たな主役候補が誕生した。地元で流した涙は、22歳のキャリアに確かな輪郭を与えた。

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