【連続写真】フックグリップで生み出すパワー 穴井詩のスイング
ツアー2勝目を飾った今季の穴井さんですが、ドライビングディスタンスが3位(255.16ヤード)と女子ツアー屈指の飛ばし屋でもあります。極端なフックグリップでクラブを握り、テークバックではクラブフェースを閉じたまま、ヘッドをどこまでも低く長く上げていきます。スイング中はフェースが閉じた状態をキープするという独特のスイングです。
最近のクラブの特性上、穴井さんのスイングスピードに対して、ある程度ボールをつかまえる動きがいくつか入らなければ、フェースが開く動きに変わります。フックグリップに握って、トップでのフェース面が真上を向くようにしたり、スイング中、常にシャットフェースで振っているのも、フェースを開きたくないからでしょう。
正面からの写真を見ると、ダウンスイングの切り返しでは体の軸が傾くことなくクラブを下ろしています。このとき顔を下に向けていますが、顔が上がると上体の前傾姿勢が崩れやすいからでしょう。体を低い位置にキープするにはいい方法だと思います。
フォローではハンマー投げのようにクラブと体との引き合いが見られます。逆C字の形になっていますが、昔の選手によく見られた形です。クラブ自体にエネルギーがないときに、自分で十分なパワーをボールに伝えるためには、このような形にすることが有効でした。現在は、クラブの性能が上がり、体の軸を中心に素早く体を回転することによって大きなパワーを生み出しますが、穴井さんはそのどちらも行うことで飛距離を稼いでいるのでしょう。