【スイング連続写真】これが“怪物”のDNA 川岸史果のパワフルスイング
ツアー界でも飛距離に関しては1、2を争う川岸史果さんですが、そのスイングには飛ばすための要素が満載です。安定感を生むワイドスタンスに構えると、バックスイングでは左肩を120度近くまで入れています。これだけ上体を捻転しているのは、川岸さんと葭葉ルミさんぐらいです。大げさではなく、全盛期のタイガー・ウッズ(米国)と同じレベルだといえるでしょう。それだけの柔軟性が川岸さんには備わっています。
バックスイングでは、クラブヘッドの位置が体から遠くにあり、それだけスイングアークが大きくなります。バックスイングでヘッドが描く円が大きいのに、ダウンスイングでは右ワキを締め、右ヒジを低い位置に下ろすことにより、クラブをグッと体に引きつけています。この絞り込みが飛距離を生むポイントです。ここでコンパクトな形をつくっているから、フォロースルーで一気に右腕を伸ばすことができるのです。それがヘッドスピードの上昇につながります。もしも、ダウンスイングで右腕が伸びていると、フォロースルーでは右腕が縮むしかないので、ヘッドスピードは上がりません。クラブを上げるときに大きな円、下ろすときに小さな円を描くのは、飛ばし屋の特徴だといえます。
また、右ヒジを絞り込むことによって、ボールのスピン量が上がります。おそらく川岸さんは女子ツアーでは最も多いスピン量でしょう。一つ間違えると吹き上がりますが、スピン量が多いことで弾道が高くなり、ビッグキャリーを生み出しています。体力があり、体幹がしっかりとしているからこそ、右ヒジをここまで絞り込めるのです。
ダウンスイングで驚かされるのは顔の向きです。インパクト直前までボールのかなり後方に視線が向いています。松山英樹選手と同じ形ですが、トップのときから顔の向きが一切変わらないことにより、ヘッドスピードの加速を生み出します。