前代未聞のペナルティ乗り越え逆転V!吉田と川口キャディの2ショット
普段コース以外での行動は別だという2人。「楽しみ!」という吉田とは対照的に、川口キャディは「複雑な祝勝会だなぁ(笑)」と言いつつも「助かりました(笑)いやぁありがとうございました。本当に命拾いした」と頭を下げながら乾杯した。まずはテレビで放映されなかったこともあって、色んな選手やキャディに「どういう状況だったの?」と聞かれることが多いということで、もう一度状況を説明する。
12番でバーディを奪った吉田は、続く13番で5mくらいのバーディチャンスにつけた。そして、マークしたボールを拭いてもらおうと川口キャディに渡した。マークはそのままで、吉田は反対側にラインを読みに行く。川口キャディが、“吉田がボール位置が分かりやすいように”とマークの後ろにボールを置いた。ここまではいつもの2人のルーティンだ。
ところが、突然川口キャディがマークを拾い上げてしまった(※1)。「どうにか理由をつけようと思っても、未だに何でそんな動きをしたのか分かりません。僕はゴルフをやりますが、マークの前にボールを置いているならその癖なのかもとも考えました。ですが、ボールはマークの後ろに置いていますからね。マークの前に置いたなら何となく分かりますが…前代未聞です。拾った瞬間に“何で僕の手元にマークがあるんだろう”と思って。パッて向こう側の(吉田)プロと目が合ったら、1〜2秒なんですけど時が止まりました」というのが今回の顛末だ。ちなみに横にいた同組のテレサ・ルー(台湾)もあまりのことに相当びっくりしていたらしい。
これには吉田も動揺したか、その後のパットを決めきれず13番をボギー。「言葉をかけることすらできなかった。ただただ“ごめんなさい”しかなかった」と川口キャディ。一方で吉田は別のことに考えを巡らせていた。「とりあえず色々状況を整理しました。そして出たのが、私の心境としては久々に予選通ったし、賞金ランクも優勝したにも関わらず下の方だったので、このままではシード権も危ないという思いもあって。久しぶりのチャンスだったから少しでも稼がなきゃいけない、と。ずっと予選通って迎えていたら、あそこからなぁなぁになっていたと思います。でも今の状況を考えれば、たとえ優勝戦線から離脱してもトップ10に入ったら来週に向けて違うかもしれない。だから最後まで気持ちを投げずにいられました。自分でもびっくりするくらい冷静でした」。続けて次の14番のティでこんなやりとりがあったことを明かしてくれた。