【解説】服部真夕、フェースローテーションを極力抑えたスイング連続写真(計10枚)
プロ入り後5年間で4勝を挙げるなど順調に成長してきた服部だが、ここ数年ショットが今までにないぐらい曲がり、アプローチに悩むなど大スランプ期に突入。2015年も開幕2戦目から9戦連続予選落ちするなど前半戦は大苦戦を強いられた。
だが、「悪い自分を認めないのは現実逃避。アプローチがダメでも勝てる。ショットでカバーすればいい」と前向きになれたこと、そしてパッティングの調子が上がってきたことでシーズン半ばから成績が上昇。8月の『NEC軽井沢72ゴルフトーナメント』で久々にベスト5に入ると、勢いそのままに翌週の『CAT Ladies』で3年ぶりとなる美酒に酔った。
ツアープロコーチの辻村明志氏は「復活の一番の要因は、球筋をドローボールからフェードボールに変えたこと」と分析する。「以前のドローボールは、フェースローテーションを大きく使っていたため、ドローボール以上に曲がる大きなフックボールが出ることがありました。“振れば振るほどボールが左へ曲がる怖さ”からクラブを振れなくなっていたのだと思います。ですが、昨シーズン中盤から練習場でフェードボールに取り組む姿が見られた。フェースローテーションを極力抑え、腕をしっかりと振るスイングに変えたことが中盤からの好調の要因だと思います(辻村)」
辻村氏は彼女の腕の振りの速さは“日本ツアーナンバー1”と評す。「速さに加え、腕のしなりの良さも兼ね備えている。トップからダウンスイングに入る切り返しで、腕にしなりを作り、フィニッシュまで最速で腕を振り抜く。力で腕が速くなるのではなく、力が入らないからこそスピードが速くなるんです(辻村)」。