【解説】ショットメーカー・菊地絵理香、全身を余すことなくフルリリースしきれているスイング連続写真(計11枚)
2012年に初シードを獲得してから常に安定した成績を残しながらもなかなかカップに手が届かなかった菊地だったが、昨年4月に行われた「KKT杯バンテリンレディスオープン」で単独首位発進すると最後まで追いつかれることなく完全優勝。「いつ優勝してもおかしくない」と言われていた中堅にようやく春が訪れた。
ツアープロコーチの辻村明志氏は菊地の長所として「ミート率の高さ」を挙げる。「非常にドライバーの精度が高く、ボールの捻じれの少ない菊地選手は、狭いフェアウェイ、深いラフといったセッティングのコースでは基本的に上位にくる選手。彼女の優れているミート率(打点)の高さはショットメーカーでは必須条件であり、ゴルフの一番大切な技術である。アイアンショットでのタテの距離の狂いは少なく、今シーズンの好成績につながったと言える(辻村)」
そんな芯を外さない技術は全身を余すことなく使いきれているスイングから生み出される。「写真を見てわかるように、バックスイングは力みなく、左肩があごの下まで入り、右肩が首の後ろまでしっかりと回っている。そして常にトップの位置は捻転が効いており、ここでも力みがない。切り返しは、リリースしながら体とクラブが右腰の前で揃ったら右サイドを低い位置で動かしながら深く押し込んでいて、フォロースルーからフィニッシュにかけて左腰より右腰が目標方向に押し切れている」。
また、アマチュアに手本として欲しい部分は「フィニッシュでクラブヘッドが目標方向を指すまで振り切れている」点を挙げる。「なぜ参考になるかと言うと、フィニッシュで力んで最後まで体を使いきれていないと腰はここの位置までこない」。飛ばそうとして力んでしまうのは良くなる話。最初から最後まで余計な力みのない菊地と自分のスイングを是非比べてもらいたい。