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最少勝利数で6億円突破 菊地絵理香が吐露した恐怖心【記者の目】

最少勝利数で6億円突破 菊地絵理香が吐露した恐怖心【記者の目】

配信日時:2022年7月5日 08時00分

「常に危機感があるんですよね。もちろん年齢だけではないですが感覚が鈍くなって、今までできていたものがおかしいなと思うことがあります。逆に感覚が鈍くなることでいい方向に行くこともありますが、悩みや課題はいつもありますね」。調子が悪くなれば夢にも出てくるほどらしい。

とはいえ、ゴルファーにとっては悪いことではない。危機感は向上心へとつながる。決して現状に満足しない。いいものがあれば年齢に関係なく若手選手に聞きに行くこともあれば、プレーを見ることもある。前週からパッティングが改善、「フィーリングがいい。こんなこと今までにない。そんな自分が怖い(笑)」といえるようになったのもテレビを通じた気づきがあったからだ。

ニチレイレディスで優勝した西村優菜さんのパッティングをテレビで見たんですね。そしたら“これかも”と思えるものがありました。非常に口で伝えるのは難しいですが、画面を通じて見たものを自分のなかでかみ砕いたら、彼女のようには打てないですが、スムーズに動かせるようになった」

西村だけではない。13歳年下の笹生優花には実際に聞きに行ったこともある。もちろん、年下だけでなく大山志保といった先輩プロにもアドバイスを求める。「単純にうまい人が気になるんですよね。どう打って、どういう感覚なのか」。自分に取り入れるかどうかはさておき、興味を持つ。そして理解する。その蓄積が引き出しとなり、すぐにとはならずとも菊地を助けてくれる。

「試合をやっていてもイライラしたり、悔しいことばかり。でも自分のなかで、『もうだめかな』と思ったら熱意もなくなりますし、ボギー打っても『悔しくない』ってなると思う。だから、自分のなかではやる気だったり、伸びしろだったりを感じているからそうなるのかなと思っているんですよね。それがモチベーションです」

何も特別なことはない。危機感を持って、変なプライドを持たずに努力して突き詰める。クレバーに見えるショットメーカーは、人一倍泥臭いことをやってきたからこそ、ここまでの実績を積み上げられたのだ。だが、そんなことはコースではおくびにも出さない。余計なことも語らない。無骨な職人気質が横浜という土地で一段とかっこよく見えた。(文・秋田義和)

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