筆者は生まれついての無骨者ゆえパニック障害とは無縁に生きており、その辛さのほどは実感することはできない。だが菅沼がこの病と付き合いながら、前向きなメンタルを育ててきたのだということは分かる。そしてそれがゴルフにもいい影響をもたらしているのではないかということも。
「きょうはラッキーでした。このコースは絶対に打ってはいけないところがあるので、安全なほうに外れてくれるのはラッキー。ラッキーが続くといいです。パーオン率が悪いので、外すなら手前手前で、とりあえず奥にはつけない」という作戦だったと話したことからも、前向きさがうかがえる。
初日はボギーなしのプレーで、まさにストレスフリー。首位を狙える好位置でスタートする2日目は「初優勝は気にせずやります」と満面の笑顔で話していた。初のシード選手として挑んでいる今シーズン。菅沼の大きな活躍に期待したい。(文・河合昌浩)