「高い目標かもしれないですが、“もっと”という気持ちを持ち続けるためにも必要なのかなと思います。その高さに設定することでオフの過ごし方も変わってくると思いますし、シーズンの序盤で勝てたとしても高い目標があれば“もっと頑張らないと”と思えると思います。自分を厳しくストイックにやりつつ、うまく息を抜くこともできればランキングも上位にいけると思います」
高い目標のために、勝ち方にもこだわっていく。「2勝とも追いかけての逆転優勝。上に人がいたからこそ、追いかけられた部分はあると思います。逆にいうと自分にストッパーをかけてしまったところが悪かったともいえます。次は、最終日にトップからスタートして、今までとは違う緊張感のなかで勝ちたいです」。逃げてよし、追いかけてよし。勝ち方のバリエーションを増やしていかなければ女王の座には届かないと自覚する。
技術面の課題はショット力。パーオン率88位、フェアウェイキープ率94位で常に上位で戦うのは厳しい。「ずっとパーオン率とフェアウェイキープ率が50位以下。最低でもシード選手(50位以内)のランキングには入らないといけない。でも毎年『そこを上げたい』といっていて、できないということは、もっと目標を高くしないといけないのかなと思います」。
そのため技術面の強化はもちろん、クラブ選びもこれまで以上に突き詰めていく。「信頼しているから、だけではなく常に本当に合っているのかを見直す。このクラブで勝てたから、といって、そのままにしない」。現状維持ではなく、いい意味で『疑い』を持って“さらに上”を模索していく。
自己最高のシーズンを過ごしたからこそ見えた、突き詰めるべき課題。さらなる高みに向けて、23歳はアクセルを緩めるつもりはさらさらない。(文・秋田義和)

