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増え続ける4本体制 結局ウェッジはどのロフト角構成がいいの?【女子プロから学ぶセッティングのスパイス】

増え続ける4本体制 結局ウェッジはどのロフト角構成がいいの?【女子プロから学ぶセッティングのスパイス】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年10月2日 11時13分

ダンロップのツアー担当である引地氏はこのウェッジ4本体制化の波はトラックマンの影響が大きいという。「正確な弾道測定器が出てきたことで、我々も“こことここの距離が空いていますよね”などといった説明がしやすくなりました。“今回のコースならこの飛距離のクラブは抜いてもいいのでは”といった提案もしやすくなり、ウッドやUTを抜いたぶん、下の番手が厚くなっているのが1つの理由だと思います」と話す。

どの番手構成が多いのか聞いてみると、「弊社の契約プロの方々では50、54、58度が多いと思います。グリーン周りのアプローチは基本的に58度、というプロが多く、PWとその58度との間の距離をどう埋めていくかとなると、この組み合わせが多いですね」とのこと。

フルショットのほうが距離を合わせやすく、アマチュアにとっても魅力的なウェッジ4本。とはいえ、グリーン周りのアプローチで52度も使いたい…、など、どういった構成にするのが自分に一番合っているのか悩みどころでもある。一方で丹萌乃のように「パー3も伸びているのでどれも抜けない」と飛距離がほしいゆえに、上の番手を厚めにせざるを得ないパターンもある。プロコーチ&クラブフィッターの筒康博氏に、ウェッジを何本入れるかを含めて、どうすればアマチュアは自分に合った構成が見つけることができるのか聞いた。

筒はまず、アイアンとウェッジの関係が時代の分岐点に来ていると説明する。「いわゆる『飛び系アイアン』が定番化した現在において、“ウェッジ”というクラブの存在理由を刷新するタイミングに来ているのかな?と思います」。元々はショートアイアンより短い距離で様々な状況に対応する事がウェッジの主な役割だった。だが、現在はそれに加えて、コースを攻める際の使用頻度の高い場面を想定したクラブセッティングの主役の一つになりつつある。

ただ、ウェッジが増えたということは一概にアプローチのバリエーションが増えるということにならないのが難しいところ。「3〜4本のウェッジ体制といっても、すべてのウェッジをグリーン周りで使用するプレーヤーは多くありません。PWがアイアン化してから随分時間が経っていますが、ウェッジ体制の中に侵食してきたと考えていいと思います。つまり、“フルショット”メインのウェッジと“アプローチ”メインのウェッジがチーム化していくならメリットになります。すべてのウェッジをグリーン周りで使う事は理想ですが、選択肢が多いぶん、迷いや技術が返って複雑になってしまうデメリットを感じる人もいるかも知れません」。選択肢が増えて逆に迷いも、というケースも多々見受けられる。

「例えば『振り幅は腰から腰…』のように、自分なりのルールを作ってアプローチに望むならウェッジの4本体制は大いにアリです。微妙な振り幅やスイングで打ち分けなければいけないキャリーとランの割合を、番手を替える事で打ち分ける事が出来るのが最大のメリットです。特に最新のウェッジは、スピン性能も直進性も高くソールの抜けもいいモデルが多く登場しています。『9番アイアンで転がし…」よりも、ロフトの立っているウェッジの方がイメージを出しやすくアプローチに臨めるゴルファーが多いはずです。バンカーショットも、番手を替えるだけで遠いバンカーと近くてアゴの高いバンカーをクリアーできる可能性が高くなります」。

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