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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】QT、プロテストはなぜ見られない?米Qシリーズ失格事件に思う

【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】QT、プロテストはなぜ見られない?米Qシリーズ失格事件に思う

配信日時:2018年11月21日 13時26分

日本のQT、プロテストはコース内での観戦ができないが…
日本のQT、プロテストはコース内での観戦ができないが… (撮影:ALBA)
米女子ツアーでは、クォリファイングトーナメント(以下、QT)でのプレーも見ることができる。LPGA Qシリーズ(昨年までのファイナルQTに相当)第7ラウンドに起きたドリス・チェンの失格事件(詳細は後述)を聞いて、そこに彼女の母親がいたことに驚いた日本のゴルフ関係者も多かったのではないだろうか。なぜなら、日本ではファイナルQTでさえクラブハウス周辺(コースレイアウトにもよるが1番および10番ティ、9番および18番グリーン付近)のみしか見られないのが慣例だからだ。ファイナル以外は取材も一切禁止。ファミリーなどはハウス回りだけが見られることになっている。

2018年のプロテストの模様はこちら

理由については「取材がファイナルだけなのはスタッフが少なくて対応できないため。コース内に入れないのは、人を入れることによって選手のプレーに影響が出るからです。それは本末転倒なので」(LPGA広報)とのことだった。確かに、プロテストやQTは重圧がかかるものではある。だが選手たちはそこを経てトーナメントでプレーするようになる者ばかりだ。人に見られるのが仕事になり、成績や人気次第で周囲に人の多さが違うのも当たり前。その“前哨戦“とも言うべき場なのだから、過保護過ぎる気もする。

ところで、米での“事件”について改めて説明しておこう。“主役”のチェンは、2010年「全米女子ジュニア」王者で、USC(南カリフォルニア大学)在学中の2014年には、大学最高峰の「NCAA選手権」で個人優勝も飾った実力者だ。

8ラウンド144ホールで順位を争われるQシリーズ第7ラウンドの17番で、チェンはティショットを大きく曲げ、ボールはOB方向へ。しかし、いってみるとインバウンズにあったため、そのまま第2打を打ってホールアウト。続く18番もプレーして、その日のラウンドを終えた。だが、その後「OBだったボールがインバウンズに動かされた」という証言が出てきて事態は紛糾。ボールを動かした“犯人”がチェンの母親だという証言もあった。目撃者、キャディとチェン本人の証言が全く違っていて混乱したが、調査の結果、チェンは失格となってしまった。

チェンは「みんなが、私をチーター(ずるい人間)と言っていることに傷ついている。私はチーターじゃないし、家族にも友達にも“ボールを林から出してくれ”なんて言ったことはない」とコメント。何とも後味の悪い結末となってしまった。

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