また田島によれば、小平の「スイングをマネするのは難しいでしょうが、アマチュアの方でもマネできることが」あるという。それが「プレーの速さ。人が打っている時に考えて、しっかりとまとめて、それを実行する。そのスピード感のあるプレーがとても小気味いい。速いと同組の選手はそのスピードに“飲まれ”やすくなります」。プレーが速い事はゴルフにとっては「良い影響しかない」という。会場に行かせた際は、小平のプレースピードにも着目してみてはいかがだろうか。
世界を目指す28歳、小平の優勝で盛り上がったこの大会。6位入った21歳の星野陸也ら若手の活躍もツアーにとって好材料だろう。ルーキーの星野は「今、色々なものを吸収している最中でしょう。これからどう成長していくのか、本当に楽しみですよ」。また、5試合連続でトップ10フィニッシュしている25歳の今平周吾や「ANAオープン」から調子を上げてきた24歳の時松隆光らも秋のハイシーズンをこれから盛り上げてくれそうだ。「周吾は夏ごろに一回調子を崩しましたが、また調整し上がってきました。隆光は、ハデさはないですが、内に秘めた闘争心と冷静なプレーが素晴らしい」。ここまではベテランの活躍が目立ってきた今シーズンだが、これからは若手のさらなる活躍も期待できそうだ。
解説・田島創志(たじま・そうし)/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める