「池田は“ウイニングパット”から“プレーオフに進出するために絶対に入れなければいけないパット”に。一瞬にしてものすごくプレッシャーのかかる局面に変化しました。マラソンでいったら小平、池田、キョンテの3人が先頭集団を走っていて、ポッとサンヒョンが抜けていったような流れ。ですが17番できっちりとバーディを獲って差を詰めたことも重要な局面でしたし、あのアプローチも簡単ではない。傾斜がキツイので入らなければ下に3mくらい落ちていってしまっていたはずです(佐藤氏)」
サンヒョンは「キョンテ選手の結果を見ても“2位タイで終われれば”というラクな気持ちで挑みました」とホールアウト後に語ったが、池田がティショットで小平にプレッシャーをかけて状況が変わったことで難ショットにチャレンジ。佐藤氏の読みどおり、「自信はありましたが、外したら2m以上は下ってしまう覚悟はあった」とサンヒョンは想定していたが、賭けに勝って池田の勝ちストーリーを潰したのだった。
「本当にゴルフの難しい点を見せられた気がします。それまでの流れが良かったとしても1打ごとに状況が一変する。このレベルのなかではサンヒョンが“持っていた”という表現を使わざるを得ませんね(佐藤氏)」。
佐藤信人/1970年3月12日生まれ。千葉県出身。薬園台高校卒業後に渡米、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。1993年に帰国しプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝を挙げた。ツアー通算9勝。現在はゴルフ雑誌やテレビの解説で幅広く活躍している。趣味は旅行と読書