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苦しい戦いだった。左手の指を負傷している影響でショートアイアンの精度はがた落ち。1番からボギーを叩くなどスコアメイクに四苦八苦し、修正できたのは後半に入ってから。それでも何とか上がり3ホールでの3連続バーディで6アンダーにスコアを伸ばし、ギリギリで河野晃一郎、井上信とのプレーオフに持ち込んだ。
18番パー5で行われたプレーオフでは、持ち前の飛距離が冴え渡った。502ヤードをティショットで残り192ヤードまで運ぶと、アゲインストの風が吹く中、5番アイアンでピン左5mに。「スライスは最後だけ」とイーグルパットのラインを読みきり、渾身のガッツポーズ。バーディパットを残していた2人に1ホール目で引導を渡した。
佐藤はシード選手の経験こそないが、07年『ミズノオープンよみうりクラシック』で2位に入り『全英オープン』に出場したこともあるプロ転向20年目のベテラン。同年にはドライビングディスタンス部門でツアー1位に輝いている。
優勝スピーチで「歴史のある大会で勝てると思っていなかった。今日は千葉在住の意地を見せられたと思う」と白い歯をこぼした。今季は日本ツアーの予選会に参加しつつ、PGAの下部ツアーである『ツアー・チャイナ』に参戦予定。