国内男子ツアー「カシオワールドオープン」の初日。例年になく冷え込んだ気温と強く吹き続けた風の影響で多くの選手がスコアを崩したこの日に4バーディ3ボギーの“71”をマークして8位タイの好スタートを切ったのはアマチュアの大堀裕次郎だった。
大堀は石川遼、松山英樹と同じ91年に生まれた同世代の選手。今年はアマチュア最高峰の大会「日本アマチュアゴルフ選手権」で優勝を果たして頭角を現すと、8月の「関西オープン」では2日目を終えて単独首位に立つなどプロの舞台でも堂々たる活躍を見せてきた。
しかしその後は不運に見舞われた。逆転でのアマチュア優勝を狙った「関西オープン」最終日が雨で中止となって不完全燃焼に終わると、「日本学生ゴルフ選手権」後の大学リーグ戦で右肋骨の疲労骨折が発覚。ケガをおして出場した「アジアパシフィックパナソニックオープン」では初日の9ホールで棄権し、それが引き金となって10月中はほとんどクラブを握ることができないほど悪化させてしまった。出場を予定していたQTの欠場も余儀なくされるなど、栄光に満ちた前半戦とは一転して、後半はゴルファーとして試合どころか練習もできない苦しい日々を送ってきた。
しかし11月になってからは1日200球ほどの練習ができるまで回復し、現在では痛みもほとんどなくなっている。また8月末には62、3キロまで落ちた体重も食事とランニングによって70キロまで戻すことに成功した。まだまだ体のキレという面では満足のいくし仕上がりにはなっていないようだが、この日も得意のドライバーでチャンスメイクするなど本来のプレーを完全に取り戻しつつある。