最近はあまり聞くことはなくなったが、以前は『あの学校にはあのメーカーが強い』という風聞をよく耳にしたものだ。そこには、こんな裏事情があった。メーカーのアマチュア担当者の仕事は、未だ世に出ていない有望選手を探し出し自社のモニター選手にして、プロになると同時に専属や使用契約を締結することにある。彼らはその過程で、製薬会社のプロパー(現MR=medical representative)のような役割と果たすこともあるという。つまり、ゴルフ部の監督にモニターとして自社の用具を使って貰い、良さを体感、評価してもらうことで、モニター候補となる有望選手にも自社の用具を進めてもらい、採用活動を有利に進めたいという戦略である。
「高校や大学のゴルフ部の監督さんが競技ゴルフをやられている場合は、ギアの評価を目的に監督ご自身もモニターサポートすることはあります。私たちのボールやクラブの良さを分かっていただきたいからです。もちろん、そういう申し出を受け容れてくれる監督さんと、いろんなメーカーさんと平等にお付き合いをしたいとする監督さんがいらっしゃいます」。
監督が自社のクラブの性能の良さに共感した場合は、『あの学校に強い』メーカーになれるわけである。
まさに、『将を射んと欲すれば馬を射よ』の世界である。(取材・文 / 古屋雅章)