前述のとおり、女子はプロ入りを断念する判断が早いのに対し、男子は『一生の仕事』と捉えている側面があるので、なかなか挑戦を諦められないという傾向がある。ただ、企業側としても永遠にサポートをすることはできない。いつかはサポートの終了を言い渡すときがくる。
「正式な決まりはないのですが、でも一応、何年もQTでファーストやセカンドしか通らない状態が続いていたら、『サポートの継続が難しくなってくる』という話をします。中にはそれで本人が『もうやめます』という選手もいますが、それでも諦め切れない人には『申し訳ないけれど…』という話をします」
ブリヂストンスポーツは、2013〜14年頃に契約プロをかなり解約したことがあった。そのときの反省から、プロもモニターも、できるだけ関係を長く続けたいという気持ちがあるという。ブリヂストンでは契約をする時に必ず『ブリヂストンが好きですか』という問いかけをするという。契約解除の話をしたときに、「今までありがとうございました、これからもブリヂストンのボールやクラブを買って使いたいと思っています」と言われると、担当者は申し訳ないと思うとともに、その選手を選んで良かったと思うのだろう。(取材・文 / 古屋雅章)