一方、QTへの出場を思い悩むのが、賞金ランク20位前後の選手たち。同ランク18位に入った塩見好輝は「大丈夫だとは思いますが、初めてなので、何位まで降りてくるのかがわからない」と口にする。18位であれば例年のQTランク30位前後と同等の試合数確保が見込まれるが、QTを勝ち抜いて1位になれば年間シード、10位前後に入ることができれば現状よりもさらにチャンスを増やすことができる。賞金ランク上位に入った選手には、ここでやめるもよし、上位を目指してQTに挑むもよし。2つの選択肢が用意されている。
「QTにも出場できるというのは、僕たちにとってはありがたいシステム。だけど、どうなんだろうと思ってしまう部分もある」と語ったのは平本穏。「20位内に入ったとして、来年大丈夫という状態で予選会に臨める選手と、これがだめなら終わりという選手と、気持ちが全然違う。2球打てる、みたいなものですよね」。当然勝負の世界の厳しさを実感しつつも、変更後のシステムに複雑な心境も抱いている。自身は賞金ランク25位となったため、サードQTへの出場を予定。「ただ、冷静に見れば力があればどこからでも上がってこられる。結論はそれだけです」と、生き残りをかけた過酷な戦いを見据えて気合を入れる。
10月30日からサードQT、11月29日からファイナルQTが開催される。レギュラーツアーの残り5試合が終われば、10枠減ったシードに入れなかったレギュラーツアーの選手たちがQTに出場。今回の出場資格の変更がどう影響するか、予選会の動向にも注目が集まりそうだ。
※1
これまでは、レギュラーツアー賞金ランク60位までの選手に振るシーズン出場できる賞金シード、61〜75位までの選手に限定的なシードが付与されていた。
※2
制度変更後は、「チャレンジ賞金ランク2位→QTランク2位→チャレンジ賞金ランク3位→QTランク3位…」の順で交互に出場資格が降りてくる。