スーパーショット連発！小田孔明が21アンダー独走で大会連覇

＜カシオワールドオープン　最終日＞◇29日◇Kochi黒潮カントリークラブ(7,300ヤード・パー72)

　「大丈夫ですか？ちょっとKYとかじゃないですかね？」ラウンド後記者会見場に現れたチャンピオンはいたずらっぽく笑った。

「差を見せつけられた」遼、3打差つけられ完敗！賞金王持ち越し

　高知県にあるKochi黒潮カントリークラブで開催された、国内男子ツアー「カシオワールドオープン」の最終日。史上最年少賞金王に向け突き進む18歳を止めたのはディフェンディングチャンピオンだった。石川遼、丸山茂樹と並んでトータル14アンダーからスタートした小田孔明が7バーディ・ノーボギーと爆発し、2位の石川に3打差をつけ大会連覇を達成した。

　小田は出だしこそパーが続き一時は石川に先行を許したが、6番でこの日初バーディを奪うと、そこから神がかったようなプレーを披露する。8番ショート、5番アイアンで放ったティショットを50センチつけるスーパーショットでバーディを奪うと、9番、10番とアイアンショットをピンにからめ3連続バーディ。11番ショートはバーディにはならなかったが12番でもバーディ、13番では約90ヤードを20センチにつけバーディと他を圧倒する。「遼に追いつかれたら逃げられると思ったので、自分がスーパーショットをして遼をあきらめさせようと思った」同組の石川に対するライバル意識が乗り移ったか、この中盤のバーディラッシュはアイアンショットがすべて2メートル以内につく圧巻の内容。石川の心を折るには十分すぎるプレーだった。

　石川が並み居るツアープロを押しのけ勝利を重ねている時には、JGTOの小泉会長が「他のプロがだらしないといわれてもしょうがない」とツアープロに向けて苦言を呈したこともあった。それだけに連覇のかかる最終日、石川とのラウンドには燃えた。「気合い入ってましたね。とにかくヘタなゴルフはしたくないと思った」賞金王をモチベーションに攻める18歳を、気持ちでもプレーでも圧倒し、終わってみれば“65”を叩きだしトータル21アンダーで圧勝。1つ1つのプレー、ガッツポーズにプロ9年目の意地がにじみ出ていた。さらに、今大会には高知まで応援に駆けつけた両親の姿も。「親の前で初めて勝てた。これで少しは親孝行が出来た。そのことが何より嬉しくて…」KYどころじゃない、最高にカッコよかった。