2022年4月21日(木)にグランドオープンを迎える「ヴィクトリアゴルフ六本木ヒルズ店」。コアなゴルファーに向けたさまざまな新サービスが用意されているが、中でも注目はゴルフシミュレーター『フルスイング』ショールームがアジア圏で初めて導入されることだ。あのタイガー・ウッズが自宅練習で使用しているという世界最高峰のシステムとは? 写真、文/田辺直喜
688個の赤外線センサーを用いて正確なボールデータを測定できる『フルスイング プロシリーズ』。現在、このシミュレーターを試せるのは、国内で唯一「ヴィクトリアゴルフ六本木ヒルズ店」だけだ
PGAプロが愛用する究極のゴルフシミュレーター
こだわりの強いゴルファーに向け、“コアなサービス”を提供する「ヴィクトリアゴルフ プレミアム」の新店舗「ヴィクトリアゴルフ六本木ヒルズ店」が、4月14日(木)からプレオープンを実施している。
六本木ヒルズという都心の一等地に、約300坪という広いワンフロアで展開されるこの大型ゴルフショップには、“国内初”と銘打つさまざまなサービスが準備されている。中でも注目なのは、国内どころか“アジア初上陸”となる高性能ゴルフシミュレーター『フルスイング』ショールームの導入だ。
日本ではあまりなじみのないメーカーだが、『フルスイング』を使えば他のマシンとは一線を画す高精度かつリアリティの高い弾道測定が可能になるという。実際、広告塔になっているタイガー・ウッズを始め、ジョン・ラーム、ジョーダン・スピース、ジェイソン・デイといった米国男子ツアーのトッププロたちが、自宅に設置して使用しているということからも性能の高さはうかがい知れる。
今回はグランドオープンに先立ち、この『フルスイング』を体験する機会に恵まれたので、使用感や測定精度、使い勝手などについてレポートしていく。
まず『フルスイング』で特徴的なのは、弾道を計測するためのセンサーだけでなく、打席を設置する土台やボールを打つマット、スクリーンなどが全てセットになった製品だということだ。つまり、『トラックマン』などのような持ち出し可能な1つの弾道測定器ではなく、弾道計測機能を備えた小型のスタジオそのものが『フルスイング』、シミュレーターという別の部類だと考えてほしい。
そして、肝心の弾道を測定する方式だが、「ハイスピードカメラ」と「赤外線センサー」という2つの装置を利用している。「ヴィクトリアゴルフ六本木ヒルズ店」には、タイガーも愛用している『フルスイング プロシリーズ』というハイエンド機種が設置されているが、まず頭上の「ハイスピードカメラ」がヘッド軌道とボールインパクトのデータを記録。その上で飛球線上に2層に渡って張り巡らされた「赤外線センサー」を用いた特許技術、デュアルトラッキングシステムが飛んできたボールを光速で測ってくれる。
『フルスイング』の測定方式は、広告ビジュアルを見ると分かりやすい。天井からの「ハイスピードカメラ」と「赤外線センサー」のデュアルトラッキングシステムの組み合わせで、スイングや弾道のあらゆるデータを正確に計測できる
今回の体験では、ウェッジから始めて7番アイアン、ドライバーと打っていったが、その測定数値のリアルさにまず驚かされた。他の測定器では、「もうちょっと飛んでいるのでは?」とか、「それは飛びすぎ…」といった疑問を感じる数値が出ることがままあるが、『フルスイング』はとにかくリアルで、肌感に近い数字が出てくる。もう少し忖度(そんたく)してもいいのでは? と感じるほどだ(笑)。
普段コースで打っている肌感に近い数値が淡々とスクリーンに表示される。ギアを選ぶうえでも練習するうえでも非常に有効な性能なのは間違いない
また、自分がショットしたボールが、ほとんどタイムラグなしにスクリーンに反映されることも驚きだった。まるで自分が打ったボールがそのまま本当に飛んでいっていると錯覚するほどで、複数の方式を用いた測定の正確さとスピードは他の機器にはない魅力といっていいだろう。
さらに付け加えると、ショットを打つマットの性能の高さも特筆すべきレベルだった。通常、練習場などに設置されているマットは、多少ヘッドがボールの手前に落ちてもソールが滑ってボールが飛んでくれたりするものだが、『フルスイング』純正のマットはダフリがリアルに再現される。ヘッドが突っかかる気持ち悪さがあり、打ち出されたボールはコースでのダフリ同様に飛距離が極端に落ちるのだ。
正直、このマットだけを販売しても面白いのでは? と思うほどの完成度で、これならインドアでボールを打っていても、実戦に近い感覚を身につけることができるだろう
『フルスイング』のセットに含まれる打席やマットも性能はハイレベル。裸足(はだし)で打ってもツマ先が痛くならないし、ショットする部分はリアルな芝に近い感触を得ることができる。これだけでも新感覚!
余談だが、『フルスイング』を使用する際には原則として“土足厳禁”になっている。測定の精度が高すぎるゆえに、ホコリなどがセンサーに干渉してしまう恐れがあるとのことで、基本的にシューズを脱いだ状態でボールを打たなければならないのだ。ただし、土台がうまく作られているので、シューズなしでスイングしても全くツマ先が痛くならない。裸足で打つのは、スイングを向上させる意味でも良いことなので、『フルスイング』には上達のためのさまざまな要素が詰め込まれていると言えるだろう。
今回は練習に活用しやすい「DRIVING RANGE」モードを体験したが、ショットに関わる「高度」といった条件や狙いたいターゲットを1ヤード単位で設定することもできる。専用ソフトウェアのカスタマイズ性の高さもかなりのレベルだった。
練習したい距離のポイントに、「グリーン」や「バスケット」といった的を設定することも可能。ショートゲームの練習にも活用しやすい仕様になっている
正直なところ、測定精度の正確さや設定の豊富さなどを体験してしまうと、ずっと『フルスイング』を使ってボールを打ちたい衝動に駆られる。屋外の打席でリアルにボールを打っているような感覚があるばかりか、頭上の「ハイスピードカメラ」が撮影した「ヘッド軌道」も都度確認できるのは、非常にありがたい機能だ。
そのショットで、ヘッドがボールに対してどのような動きをしていたかは、都度確認することができる。打点がズレたら、インパクト後にフェースが大きく動くなど、リアルにヘッドの動きを撮影していることが分かる
「ヴィクトリアゴルフ六本木ヒルズ店」では、この『フルスイング プロシリーズ』が無料で試すことができるようだ。1打席しかないため、かなりの混雑が予想されるが、気になる人はぜひお店に行って、試してみることをおすすめする。練習にも、フィッティングにも有効活用できる『フルスイング』の性能の高さがしっかり体感できるはずだ。
『フルスイング』が設置された打席は、ショップに入って左奥にある。今はまだ無料で試すことができるので、気になる方は早めにお店に行って体感してみよう。
【ヴィクトリアゴルフ六本木ヒルズ店】
店舗住所:〒106-0032 東京都港区六本木6-4-1 六木ヒルズメトロハット/ハリウッドプラザ 地下1F
電話番号:03-5772-2116 営業時間:11:00〜21:00
駐車場:完備(各種割引あり)
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