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「一瞬」だった初の米シニアツアー参戦 “感謝”の気持ち、“世界の青木”の凄さを痛感した一年【藤田寛之の“人生付録記”】

昨年の「全米シニアオープン」で2位に入り、米シニア「PGAツアー・チャンピオンズ」のプレーオフシリーズに進出。2戦目で3位に入ってポイントを上積みし、今シーズンのフルシード権を獲得した藤田寛之。この第二の人生とも言える挑戦を『人生の付録』と表現する。そんな米戦記を追った。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2025年12月30日 11時00分

藤田寛之が初のPGAチャンピオンズツアー参戦の一年間を振り返る(本人提供)
藤田寛之が初のPGAチャンピオンズツアー参戦の一年間を振り返る(本人提供)
藤田寛之が初のPGAチャンピオンズツアー参戦の一年間を振り返る

藤田寛之が初のPGAチャンピオンズツアー参戦の一年間を振り返る (撮影:福田文平)

昨年の「全米シニアオープン」で2位に入り、米シニア「PGAツアー・チャンピオンズ」のプレーオフシリーズに進出。藤田寛之は2戦目で3位に入ってポイントを上積みすると、今シーズンのフルシード権を獲得した。この第二の人生とも言える挑戦を『人生の付録』と表現する。そんな米戦を追った。今回は2025年の最終章となる。

≪写真≫藤田寛之がレディスクラブを投入「スピンが入って止まる」



こんにちは、藤田寛之です。PGAツアー・チャンピオンズツアーが終わり、11月に日本へ帰国しました。みなさん、応援してくださり本当にありがとうございました。ツアーは25試合に出場し、ポイントランキングは65位。ツアーメンバーとしては残りましたが、来季、出られる試合はまだわかりません。なので、来年は日本のシニアツアーを中心に戦う予定です。

アメリカでの生活、本当に一瞬で終わったように感じます。この一年間を振り返ると、見る角度にもよりますが、プロゴルファーとして真っすぐゴルフに向き合ったとき、一番残るのはやはり“悔しさ”です。結果はもちろん、内容的にもショットの修正が最後まで全くできなかった。そこに対する自分自身への悔しさは大きいです。

また、自分をサポートしてくれる人、応援してくれる人たちの気持ちに応えられなかったことも悔しさになります。自分自身については納得している部分があって、「これじゃうまくいかないよな」という現実も受け止めていましたし、うまくいっていないことはシーズン中もずっと自覚していたので、終わってみて“やはりダメだったな”というのも自然に受け止めることはできました。

一方、この年齢で、この舞台に立って1年間プレーができて、アメリカという素晴らしい環境で思い切りプレーさせてもらっている自分がいたのも事実です。結果だけを抜きにすれば、本当に恵まれていて、素晴らしい時間を過ごさせてもらいました。その楽しさだけは『最後まで忘れないようにしよう』と思っています。本当はあと2~3年プレーができたらいいなと思いつつ、1年で終わってしまい、そこは少し残念な気持ちがありますが、アメリカでの生活は、すごく充実できました。

この年齢になって、ただ挑戦するだけじゃなく、これまで培ってきたものや結果があったから今の自分がいると思っています。その環境に素直に感謝しながらプレーすると、楽しいと感じられるのです。そして、自分がここでプレーできているのは、周囲のサポートがあってこそ。改めて“ありがたい”という気持ちがすごく芽生えました。終盤になればなるほど、その思いは強くなりましたし、アメリカでも新しい出会いがあり、自分の苦しい状況を支えてくれた方もいました。“人との出会い”、“つながり”、“人に助けられている”ということを強く再認識できましたね。

この年齢になると、技術面や経験値など、そういったことで得ることは昔よりも少なくなっています。このチャンピオンズツアーで得たものを考えると…、リアルなお話になりますと、年金ですかね。このツアーでは、60歳以上になると受け取ることができる年金制度(受け取れる金額は、キャリア通算の獲得賞金、出場年数、そして年金プログラムの資格要件によって決定される。固定額ではなく、総額の配分によって実際の受取額が変動する仕組み)があるんです。日本ではそういった制度はありませんから、それは大きいなと思います。

ただ、改めて青木(功)さんのすごさというものを感じました。この高いレベルの中、通算9勝されている。このフィールドには、世界のトッププレーヤーが集まっている。そこで結果を出されたことはすごいことだなと思いますし、“世界の青木”と言われるすごさがそこにあるなと実感しました。

今年から最終予選会の廃止が決定し、日本のシニア選手がアメリカのツアーに出られる機会は、本当にメジャーでも勝たない限り、つまり“井戸木ルート”(井戸木鴻樹、2013年の全米プロシニアを制し翌年にツアー参戦)ではないと難しい。そう考えると、今後このフィールドを経験できるハードルはかなり高くなります。だからこそ、戦うことができて本当によかったと思っています。

さて、僕のゴルフ人生は終盤に入っていると思っています。その終盤をどう過ごすかが大きなポイント。海外メジャーも経験して、レギュラーツアーも長く戦い、シニア、そしてチャンピオンズツアーまで。ここまでいろいろな舞台を見てきたプロゴルファーは多くないと思います。これからもトーナメントやゴルフ界に携わっていきたい。このキャリアで周りにどんな影響を与えられるか、そこにも意味があるのかなと思っています。

そして、一緒にアメリカに行ってくれた杉浦マネージャーと小沼キャディにはとても感謝しています。3人での生活は、とても新鮮でしたね。役割分担がしっかりしていて、杉浦くんは現場マネジャーとして国内でもサポートしてくれて、メディア対応や僕がやっているYouTubeなどの仕事もアメリカにいながらこなしてくれました。小沼くんはキャディとして現場の最前線で全力で支えてくれました。2月にスタートしたこのチームで10月まで走り切れて、3人揃ってシーズンの終わりを迎えられたことは本当に良かったと思います。チームでもあり、もはや“ファミリー”。それくらい絆が強い3人だったと思っています。

帰国後は、指のケガもあり、2~3週間ほど休暇の時間を取りました。これまでのプロゴルファー人生のなかで、初めてこんなに長い期間、自宅でゆっくりと過ごしたのではないでしょうか。とても貴重な時間でしたね。12月に入るぐらいから例年のスケジュール通りで、(イベントやプロアマなどの仕事で)だんだん忙しくなりました。14日には、(国内ツアー対抗戦の)「Hitachi 3Tours Championship」(3ツアーズ)に、出場させていただきました。久しぶりに(後輩の)宮本(勝昌)や、若手のみなさんと回ることができて、楽しかったです。

12月末は僕が恒例としている(個人での)トレーニング合宿をします。2日間、クラブはあまり握らずに、来季に向けてトレーニングを行います。来年は日本のシニアツアーに出ますので、これからも見守っていただけるとうれしいです。アメリカ生活での一年間、サポートしてくださったみなさん、応援してくださったファンのみなさん、本当にありがとうございました。良いお年をお迎えください。

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