オルセンは「僕らはゴルフのスタイルが違うから、試合中、プレーの仕方に関する話はほとんどしなかった」と明かした。リーダーボードもオルセンは「常にチェックしていた」が、ケルドセンは「なるべく見ないようにしていた」。
どこをどう狙い、どんなショットで攻めるべきか。ラインをどう読み、どんなタッチでカップを狙うべきか。「ソレンはソレン、僕は僕のゴルフをするのみ。お互いのゴルフを信じて任せているから、テクニカルな話はほとんどしない」とは、若いオルセンの言。「後半、どんどん伸ばしていたとき、彼(オルセン)のためなら死んでもいいとさえ思った」とは、ベテランのケルドセンの言。
絶対的な信頼と絶対的な責任感。「死んでもいい」とまで表現する感覚や概念は、エクストリームすぎるようにも思えるが、それほど究極な姿勢が後半のあの究極な集中力を生み出していたのかもしれない。
日本のスタイル、デンマークのスタイル、どちらが「いい」「悪い」という話ではない。それぞれに合ったやり方こそが、それぞれにとって最高のスタイル。だが、異なるスタイルを知ることは、大いなる参考になる。
そして、表彰式でケルドセンが口にしたこの言葉は、全世界共通のユニバーサルだ。「一緒に戦い抜いたオルセンとの友情を固めることができた。それこそが、このワールドカップの最大の目的だ」
来年はチューリッヒクラシックが米ツアー史上40年で初のチーム戦になる。2020年の東京五輪ゴルフのフォーマットはいまなお検討されている。そんな今、チームワークの意味、チーム戦の意味を考えさせ、気づかせてくれた今年のワールドカップは、とても意義深い大会だった。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)