石川遼がPGAツアー再開へ渡米 会見でキャビンアテンダントから…
「明日、ブルックス・ケプカやパトリック・リードは7アンダー、8アンダーで回り、追撃をかけてくるはず。だから僕も4つも5つも伸ばしていかなければ優勝はできない。それが最近のゴルフ界のレベルというものだ」
米ツアーの4日間72ホールの大会において、優勝スコアのアンダー数が30台を超えたのは2003年の今大会でアーニー・エルスがマークした31アンダーという、ただの1度だけ。今年のスピースは、エルスのその記録に追い付き追い越すことが十分に可能な位置で最終日を迎えていた。だが、それでも「まだまだ勝利までの道のりは遠い」とスピースに言わしめるほどケプカやリードなど2位以下の選手たちの猛追やキャッチアップも現実的だったわけだから、スピースが指摘した通り、昨今の米ゴルフ界のレベルはかつてないほど高まっていると考えていい。
しかし、具体的に彼らの「何のレベル」がそんなにも高まっているのかと言えば、それはゴルフ技術だけではない。用具の進化や科学的な肉体強化の恩恵で選手たちの飛距離は昔より格段に伸びてはいるが、それでも年々、大幅に伸びるわけではもちろんない。
スピースに限っていえば、彼は決してロングヒッターではなく、「このオフはパッティングの強化と飛距離を伸ばすスイング作りに重点を置いて練習した。ショートゲームはあまり練習しなかった」と言っていたにも関わらず、今週の優勝に最も貢献したのはショートゲームだった。