願わくば、「79勝は73勝より上だ」なんて自己満足に無理矢理ひたるのではなく、「メジャー18勝まで、あと4つ」と思い直せるウッズであってほしい。
コップに水が「もう半分」か、「まだ半分」か。モノゴト、受け取り方次第でいろんなことが変わってくる。たとえ結果を変えられないとしても、少なくとも取り組む気持ちやプロセスにパワーが増し、笑顔も増える。
2016年の米ゴルフ界が抱える不安は少なくない。けれど、ウッズの低迷や不在を嘆くより、スピース、デイ、マキロイの存在に目を向けたい。初の五輪参加で米ツアーのスケジュールは超過密化するが、「大変すぎる」ではなく「面白すぎる」と思えばいい。プロの世界ではなく一般のゴルフ界に目をやれば、ゴルフ人口は減少し、ゴルフ人気は停滞中。「困ったなあ」ではなく「上向かせるチャレンジができる」と思って行動を起こしてほしい。日本のゴルフ界、然り。
一番大切なのは、周囲から何歳に見えるかではなく、自分が何歳だと思えるか。世界のゴルフ界が、それぞれの意識を前に向け、パワーに溢れる2016年を創り出してほしい。そのための一助になることを、この私も目指していきたい。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)