HSBCチャンピオンズを途中棄権…腰を抑える松山英樹
なぜ、そんな話をいきなり書いているかというと、そのウーバーをやりながら米ツアー選手になる夢を追いかけ続けているプロゴルファーの話を耳にしたからだ。
サンディエゴに住むトレバー・ヤングなるプロは、大学ゴルフ部を終えたあと、ミニツアーに出たり、一度はゴルフウエアの会社に就職して営業マンになったり、その会社を辞めて再びミニツアーに挑戦したり。現在はゴルフ場にクラブプロとして勤務しているが、仕事を終えた夕方から夜は、ウーバーでコツコツお金を稼ぎ、ウェブドットコムツアー出場権を得るためのQスクールのエントリーフィーを貯めているという。
そんな話を聞いた矢先、フィル・ミケルソンが長年のコーチ、ブッチ・ハーモンと別れ、新しいコーチを付けたというニュースが飛び込んできた。新コーチは41歳のオーストラリア人、アンドリュー・ゲットソンなる人物。彼はアリゾナ州スコッツデールにあるミケルソンの第2のホームコース、グレイホークGCに所属しているティーチングプロ。
だが、元々はツアープロで、かつては世界各国にあるプロツアーを転戦する生活を10年間も送り、ウエブドットコムツアーで戦った経験もある。最終的にはツアープロよりティーチングプロを選び、教える道を歩んできたのだが、ゴルフの世界に踏みとどまり、努力してきた先に、ミケルソンの専任コーチになる日が到来しようとは夢にも思っていなかっただろう。
先週、上海で開催されたHSBCチャンピオンズを制したのは世界ランキング86位のスコットランド人、ラッセル・ノックスだった。彼もまたウェブドットコムツアー出身者。父親は米国人ということもあり、フロリダ州の大学に通い、卒業後、2007年にプロ転向。以後、ミニツアーとウエブドットコムツアーを経て2012年に米ツアーデビューを果たしたが、すぐさまシード落ちして下部ツアーへ逆戻り。翌年、再び米ツアー出場権を取り戻したが、一度も勝利を挙げられないまま30歳を迎えた。