国内ツアー今季初戦で「ANAオープン」を制した石川遼
昨シーズンはシードこそ獲得したものの「納得のいかない一年」に。「シードを維持しようとして消極的になっていた。アメリカではフェデックスランキングなど目指すべき数字が明確化されすぎていて、それを見つめすぎていた」。
「このままじゃ駄目」。そんな気持ちが芽生えたのは7月の『クイックン・ローンズ・ナショナル』3日目に同大会を優勝するリッキー・ファウラー(米国)と最終組で回ったとき。「ファウラーには技術的な差ではない明らかに違う何かがあった」。勝つプレーヤーが持つ“何か”を感じた。
そして、その“何か”のヒントが『片山晋呉インビテーショナル ネスレ日本マッチプレー選手権 レクサス杯』で堀川未来夢に敗れた時に石川の中で1つ見つかった。「チャレンジするということを愛していきたいし、チャレンジが好きというのが僕の原点だった」。
翌週からの国内3連戦では攻めに攻めた。ティグラウンドでは果敢にドライバーを握り「1ヤードでも遠くへ」というプロになりたての頃にようにプレーした。「高校生だった頃を思い出した。スコアに捉われすぎずに攻めて、ミスしてもそこからのショットを技術の向上につなげて…何よりも能力で劣っていても気持ちでリカバリーする。それが妙に懐かしかった」。