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スピード時代に、松山英樹も踏みしめる道【舩越園子コラム】

スピード時代に、松山英樹も踏みしめる道【舩越園子コラム】

配信日時:2015年9月22日 11時15分

これもまた、ちょっぴり言い方を変えれば、第2のスピース、第2のデイがこれからまだまだ出現する可能性が大いにあるということなのだろう。たとえば、BMW選手権で2位に食い込んだダニエル・バーガーはフェデックスカップランキングを46位から一気に9位へ上昇させ、ルーキーでは唯一、来週のツアー選手権進出を決めた。今は「バーガーって誰?」と軽く扱われている22歳の新人。だが、来季あたり、バーガーこそが世界一の座を競う存在になっているかもしれず、今の新時代はビッグスター誕生のスピードも早い。

けれど、それは目に見える部分の動きが早いということであって、それぞれの選手がビッグスター、ましてや世界一になるまでには、やっぱり長い時間を費やしてきた。

かつて惜敗を繰り返していたデイは、優勝争いになると「勝ち急いで負けていた」。2013年マスターズのときも「グリーンジャケットを羽織る自分を想像して気持ちが先走った。メンタルエラーで勝利を逃した」。

以後、複数のメンタルトレーナーの指導を受け、「オフシーズンも、試合がないオフウィークも、本当に本当に一生懸命に練習と努力を積んできた。肉体づくりにもゲームづくりにも必死に取り組んできた。その成果は、すぐに表れなくても、いつかは表われるから、今はやるべき努力をするのみだと自分に言い聞かせてきた。そういう意味では、努力の成果は想像以上にとても早く表れてくれた」

初日50位から最終日は7位へ順位を上げ、今季9度目のトップ10入りを果たした松山英樹の胸の中にも、かつてのデイと同じような想いがあるようだ。今、王座を競り合っている同世代の彼らの快走レースに「入っていこうとは思わない」と松山は言い切る。彼らのことがまったく気にならないはずはないけれど「あんまり気にしていない。毎試合いいプレーができたらいい。優勝争いしたとき、プレッシャーの中でいいプレーができるよう練習することが大事。優勝争いを何回もすることが大事」。

何もかもがスピーディーな時代だからこそ、焦らず、先走らず、惑わされず。それが頂点への唯一で最短最速の道。

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