51歳4か月10日の優勝は米ツアーの最年長優勝記録の上から3番目。偶然にも今年はサム・スニードが今大会(の前身)で52歳10か月8日の最年長優勝を飾った1965年から50周年の記念大会だった。
ラブに1打及ばず、ぎりぎりで勝利を掴み損なったジェイソン・ゴアには悲哀を感じずにはいられなかった。ウッズやラブ同様、ゴアもフェデックスカップランク166位の位置から125位を目指して今大会にやってきた。
41歳は、もはや若くはない。プロ入り以来、「この19年で1勝だけしかできてない」。2005年に挙げた初優勝は当時の規定ではマスターズ出場資格に該当せず、いまなお「オーガスタとセント・アンドリュースでプレーすること」がゴアの夢だ。成績不振に陥り、“転職”を思い立って母校のペパーダイン大学ゴルフ部コーチに立候補したこともあった。「でもここに、しがみついてきた」。
1打差でラブを追いかけていた72ホール目。フェアウェイからの第2打をピンそばに付けられず、20メートルも手前にボールが止まった瞬間。勝利にも夢のオーガスタにもぎりぎりで届かないと覚悟したゴアは、キャップのツバを下げ、肩を震わせた。
欲しいものに手が届いた人、届かなかった人。ラストチャンスの場は、いつだって悲喜こもごもだ。けれど、悔しい結果も次に生かすことができれば、「あのときの悔しさがあったからこそ」と思い返すことができる。敗北も、いつかは「いい思い出」に変わる。
