石川遼、苦闘…3戦連続予選落ちで厳しい表情を浮かべる
最終日、首位を走っていたワトソンは17番でこの日唯一のボギーを喫し、その1打のせいでポール・ケーシーとのプレーオフへ。
だが、ワトソンは強かった。プレーオフ1ホール目はドライバーショットを大きく右に曲げながらも、しぶとくパーを拾った。2ホール目はフェアウエイからの第2打をピン2メートル半へピタリ。バンカーからバンカーへ、そしてグリーンオーバーとミスを重ねたケイシーを傍目に、最後はバーディで勝利。同大会2勝目、米ツアー通算8勝目を挙げたワトソンは、もはや号泣することなく、落ち着いた笑顔で喜びを噛み締めた。
思えば、ワトソンが2010年の同大会を制し、初優勝を挙げたあのときもプレーオフだった。コーリー・ペイビン、スコット・バープランクを相手に2ホール目で勝利を決めたワトソンが、顔をグチャグチャにしながら涙を流した姿が今でも忘れられない。
あのとき、ワトソンは自分が優勝する姿を病床の父親に見せたい一心でプレーしていた。「6歳のとき、父が短く切った9番アイアンをくれた。僕は父からゴルフの基本を教わり、そのあとは自己流で腕を磨いてきた」。