課題もはっきり見えてきた。連覇を逃した直接の原因になったのは、最終日、池に落とした16番のティショット、そしてグリーンを大オーバーさせた17番の第2打。
「自分の距離感を信頼できていない。まだ練習が足りない。ここで勝つためには自分を信じられるものを持っていないといけない。ちょっと足りなかった」
不足と感じたものを1年後の来年、きっちり携えて、このミュアフィールドビレッジに再び戻ってくればいい。米ツアーは、わずか1年が「一昔」と感じるスピード社会。けれど、松山は周囲の喧騒に翻弄されることなく、マイペースで、きっちりと成長を遂げているのだから――。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)