190センチ近い大柄な肉体。ロングドライブを放つための土台を元々持ち合わせていたが、その活かし方がよくわかっていなかった。そんなウォーカーに有効活用の仕方を教え、彼が最も得意とするパットをさらに磨き上げ、才能と素養をすべて開花させたのがハーモンだった。
「ジミーこそは本物。マスターズを制覇するための準備はすでに万端だ」
昨年のマスターズ開幕前、ハーモンはそう言っていた。そして、ウォーカーは8位になり、その後は、「全米オープン」でも「全米プロゴルフ選手権」でもトップ10入りを果たした。
今年もシーズン序盤からウォーカーはノリノリで、いい流れを作り出している。ハワイでは「ヒュンダイ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」で松山英樹と優勝争いを演じ、あのときは惜敗に終わったが、ウォーカーは翌週の「ソニー・オープン・イン・ハワイ」を自らの雪辱戦に変えて、大会2連覇をやってのけた。そして今週は「バレロ・テキサス・オープン」を圧勝し、米ツアー通算5勝目を挙げて故郷に錦を飾った。今シーズン2勝目を挙げた米ツアー選手は今のところ、ウォーカーただ一人。そんな彼は今年の「マスターズ」でグリーンジャケットに誰よりもニジリ寄っていきそうな気配が漂う。
「オーガスタは大好き。あそこで大切なのは、“流れ”と“自信”だ」