「ずっとハードワークを続けてきたし、今も続けている。それが、いつ開花し、いつ実を結ぶのかはわからないけど、そうなると信じている。そのときが早く来ればいいなと思う」
世界ナンバー1、2を競い合ってきたウッズやミケルソンとは、キャリアも次元も違うけれど、ミケルソンの前述の言葉は、石川遼の今の胸の内にうまく当てはまっているように思える。石川も期待と重圧を背負いつつ、常に前向き、常に努力。米ツアー1年目はシード落ちの危機から這い上がり、2年目の昨季は奮闘したが初優勝は挙げられず、3年目の今季は4連続予選落ち。だが、それでも諦めずに走り続け、今大会は今年初の決勝進出を果たした。まだ3年目。この先、あと何年、ここで走り続けられるのか。そこが一番の難関なのだ。
「この米ツアーは125位に入ってシード選手でいるだけですごいこと。この場にいることが世界のトッププレーヤーである証です」
かつて丸山茂樹がしばしば口にしていた言葉。丸山はこのフレーズを彼自身にも言い聞かせていたのだと思う。
そう、米ツアーは持久戦。走り続けることこそが大切だ。米ツアーにいる限り、花開く日はきっと訪れる。明日の月曜日、今大会を何位で終えたとしても、米ツアーに居続けることさえできれば、結実のチャンスは誰にも必ず訪れる。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)