【舩越園子コラム】心温まる1年(2013年シーズンレビュー)
「スピースする」とは、ジョーダン・スピースと同じ道を辿って自分も米ツアーに辿り着くことを意味している。その道は、華やかな道というよりは、ワンチャンスをきっちりモノにする厳しい道。ある意味、ギャンブル性も漂う一発勝負的な道とも言える。
米ツアーのシステム変更に伴い、かつては米ツアーへの登竜門だったQスクールが今年からは下部ツアーへの登竜門に変わってしまったため、米ツアーに辿り着く最短コースは2013年にジョーダン・スピースが駆け抜けた道しかなくなってしまった。だからこそ若者たちは、その道を目指し、「俺もスピースしてみせる」と意気込んでいる。
日本のゴルフファンの間でも、すでにスピースは御馴染みの存在だと思うが、ご存じない方々のために、もう一度、スピースの歩みをここで簡単に振り返ってみよう。
米ツアーに出場する資格を何一つ持たぬまま、テキサス大学を離れ、2012年に19歳でプロ転向したスピース。ノンメンバーの彼が米ツアーの2013年シーズンの大会に出ることができる唯一の術はスポンサー推薦だった。