米ツアーで上位に入るのと優勝するのは別次元
今回の代表2人は、「三井住友VISA太平洋マスターズ」でワンツーフィニッシュし、メンタル的にすごくいい状態で、絶好のタイミングで組めたなと感じる。特に石川選手はここ半年、心身ともに上昇してきて、なによりゴルフを楽しめるようになっている。谷原選手は3回目の出場だが、今年は勝ちそうで勝てない試合が続いたので「やっと勝てた」という気持ちでいけることで、余裕があるのではないか。かなりの期待をしていい2人だと思う。
私が初めて行ったのは2000年のアルゼンチン。「日本代表」として「日の丸を背負う」というチャンスを丸山(茂樹)さんからもらって、武者震いした覚えがある。
私の場合はアマでナショナルチームなどの経験がなくプロになったので、日の丸を背負う緊張感がどういうものか、分からなかった。現地で領事館のパーティーなどがあって「すごいことになっている」と感じた。いつもと違う緊張感が強くて、丸山さんに迷惑を掛けないようにと思ったが、逆にいつもは出ないようなミスをして変なことになってしまった。私1人でバタバタして4位。2回目(03年7位)、3回目(04年10位)と丸山さんと行くうちに緊張感もほぐれて、経験値も上がっていったが、最後まで自分の腕がなかった(笑)。
だが、まったく知らない選手のゴルフを見られる。アルゼンチンでは一緒に回ったイングランドの選手の打ったボールがギャラリーの頭に当たってフェアウエーに出てきた。血まみれになったその人が「オレも曲げるけど、お前はフェアウエーでよかったなあ。オレは大丈夫だから」って、その選手を慰めているのを見て、ゴルフ観も変わった気がする。