会見終了後。ステーキハウスで撮った写真をアマンダに見せると「懐かしい。もちろん覚えているわ。プレーオフで負ける前の晩でしょ?次の日にジェイソンは負けたけど、会見では『別にお葬式みたいな気持ちではない』なんて強がっていたのよね……」
本当はお葬式みたいだったのだ。涙が止まらないほど悔しかったのだ。だが、ダフナーは必死に悔しさをこらえ、涙をこらえ続けていたのだとアマンダは言った。
その悔しさが翌春からの大ブレイクにつながり、今大会の勝利へとつながったことは疑いようもない。「悔しさをバネにする」とは、こういうことだ。
全米オープン、全英オープンと続けざまにトップ10入りを果たした松山英樹は今大会ではトップ10こそ逃したが、最終日の巻き返しでトップ20入り(19位)。松山も噛み締めた数々の悔しさをバネにしてきたからこそ今がある。
11年のマスターズに初出場した後、「まだまだ世界では通用しないと言って悔しがった」と東北福祉大ゴルフ部の阿部監督が明かしてくれた。その悔しさを糧に努力と練習を積み、翌年のマスターズの出場権を掴んで再び挑んだが、最終日に崩れて悔し泣き。「あのマスターズのことがあったから……」だから頑張ってきたのだと今年の全米オープンで10位になった松山は明かした。