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【舩越園子コラム】“念”で起こした奇跡と初優勝

【舩越園子コラム】“念”で起こした奇跡と初優勝

配信日時:2013年7月15日 13時59分

 全英オープンを翌週に控えたこの大会、勝利を飾った選手にはミュアフィールドへの最後の切符が与えられる。優勝争いやプレーオフに絡んだ選手たちの中で、全英オープン出場がすでに決まっていたのはジョンソンのみ。それ以外の選手は、たった1枚の最後の切符を目指して必死になっていた。

 そんな中、スピースには必死に勝利を目指す別の理由があった。今季ノンメンバーながら次々に好成績を上げてきたスピースは、あっという間にスペシャル・テンポラリー・メンバー(STM)になり、以後は無制限のスポンサー推薦で毎週のように試合に出続けてきた。すでにフェデックスカップランク50〜60位前後に相当するポイントを稼ぎ、来季シード権を確実にしていたが、米ツアーの規定により、優勝しない限りは今季の米ツアーメンバーにはなれず、フェデックスカップのプレーオフ4試合にも出られないという状況だった。

 「優勝しない限り」という条件は、その先に何が待っているにせよ、大きなプレッシャーになる。だが、スピースはその厳しい条件をクリアすべく、上位入りを繰り返し、とうとう本当に勝利を手に入れた。全英オープン出場権は「必ずどこかで手に入れる」と心に誓い、この連戦に挑む以前、「すでに3週間ぐらい前に荷造りを済ませてあった」。

 出場権を得る前からスコットランドの悪天候を想定したウエアやグッズを揃えたスピース。そんな早すぎるほどの全英準備を絶対に無駄にはしないという気概。絶対に来季シード権を取り、米ツアーメンバーになってフェデックスカップのプレーオフに進出してやるという気概。そのためには必ず優勝してやるという気概……。そのすべてを彼は今日の勝利で現実化した。

 振り返れば、スピースが今日の3人のサドンデス・プレーオフに絡むことができたのは、72ホール目にバンカーから打った第3打が直接カップインしたミラクルショットのおかげだった。あの奇跡をスピースは執念のような“念”で起こしたのではなかろうか。そう思えてしまうほど、スピースの初優勝までの道程には彼の熱い気概が溢れ返っていた。

文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

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