19歳のJ・スピースが三つ巴のプレーオフを制しツアー初優勝!石川遼33位タイでフィニッシュ
最終日の終盤、単独首位を走っていたザック・ジョンソンを何人もの選手たちが追撃。ついにはジョンソン、スピース、デビッド・ハーンの3人によるサドンデス・プレーオフへもつれ込んだのだが、これがなかなか決着せず、スピースの勝利が決まったのは5ホール目だった。米ツアーにおけるプレーオフの最長記録は8ホール。今日のプレーオフは歴史的記録に迫る勢いだったというわけだ。
それにしても、5ホールに及んだプレーオフは、ゴルフがいかにメンタルなゲームであるかを物語るものだった。そもそも、このコースはスコアが伸びる設定だ。米ツアー選手となれば、設定が易しいコースでは、ここぞとばかりにスコアを伸ばす。
プレーオフに残った3人は4日間で通算19アンダーだったから、1日5アンダー前後のペース。バーディが量産できるとわかっているから積極的に攻め、そのぶんボギーももちろん出るわけだから、1日5アンダーペースならバーディーの数は1日に少なくとも5つ以上だ。1アンダー、2アンダー程度で回っていたら、順位は確実に落ちる。スコアを大きく伸ばしていかない限り、優勝争いや上位争いにはほど遠い。そういう設定のコースだった。
だからプレーオフに絡んだ3人は、72ホールの間、バーディを次々に奪っていた。それなのにプレーオフになった途端、その誰もが5ホールもの間、バーディを1つも奪えなくなり、必死のパーを繰り返すばかり。最後の最後にスピースが沈めたウイニングパットも、バーディパットではなくパーパットだった。これがゴルフの難しさであり、怖さであり、面白さなのだろう。