ジョナス・ブリクストが逆転でツアー2勝目!
「今年は僕にとって決していい年ではないと思っていた。だから……信じられない。これでプレーオフにも出られるし、オーガスタにも行けるし、全英オープンにも出られる?こんなにたくさんの夢がたった1週間のうちに叶うなんて……信じられない」
ブリクストの興奮は、しばらく覚めやらぬ様子だった。とはいえ、これは初優勝ではなく、彼にとっては2勝目。スウエーデン出身のブリクストはフロリダ州立大学を卒業した08年にプロ転向し、米ツアーには昨年から参戦を開始した。そしてルーキーイヤーの昨季、フォールシリーズのフライズドットコム・オープンで初優勝を挙げた。
だが、今季の今週までの成績は16試合中、予選通過と予選落ちがちょうど半々という冴えないもので、フェデックスカップランクは139位。昨季優勝者ゆえ、来季シード権を気に病む必要は無かったのだが、125位以内に入れなければ、プレーオフ進出はできない。それに、初優勝を挙げたのはフォールシリーズだったため、今年のマスターズには出場できず、悔しい思いをした。
だから、悔しさや不安の諸々が今大会の優勝で一気に解決され、夢や希望の諸々も一気に現実となった。「たくさんのドリーム・カム・トゥルーだ」。こんなふうに、うれしいことが一度に到来することがある一方で、辛い日々を噛み締めている人にばかり辛いことが起こり続けるという厳しい現実もある。