石川は「僕が米ツアーで優勝を目指している」と言い続けており、その目標設定の仕方は、ある意味、強気だ。だが、そこに強気を見せている反面、予選落ちが続く昨今の現実の中、彼は精神的に弱気に見える。何より表情が沈んでいる。
改造中のスイング、そこから放たれるショットが、理想に近いか遠いかにばかり気を揉み、ダブルボギーが1つ2つ出ると、そこから盛り返す意欲さえ失ってしまったかのようなプレーぶりになる。そして、わずか5連戦が続いただけで「心をリセットしているつもりでも、すぐ3〜4日後に試合が来る」と、心身ともにキュウキュウ状態に陥っている。
草の根で鍛え抜いた欧米選手たちは、出られる試合があれば7〜8連戦なんて当たり前。予選落ちがどれだけ続こうとも、どこまでも自信を抱き、強くたくましく試合に挑んでくる。そんな彼らの中で生き残るためには、もっと図々しく、もっとふてぶてしく、自信過剰なぐらいになっていい。そうでなければ、厳しい弱肉強食のこの世界で戦い続けることはできない。
そんなことを、しみじみ考えさせられた大会だった。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)