「わざわざ帰りの飛行機を遅いフライトに変えてくれて、僕にパットのレッスンをしてくれた。おかげで今週のパットは絶好調だった」
こういうチャンピオンの成功秘話を聞いていると、草の根の強さを感じずにはいられない。ポインツは99年にプロ転向後、草の根のミニツアーや二軍ツアーで下積みを重ね、05年に米ツアーに辿り着いたものの、07年と08年は二軍へ逆戻り。そして09年からは米ツアーへ舞い戻り、11年のAT&Tペブルビーチ・プロアマでようやく初優勝を挙げた。
どう贔屓目に見ても、大スターではない。なんとかシードを維持しながらの今季は生涯7季目、そして連続5季目。36歳にして2勝目は間違いなく遅咲きだ。が、下積み時代を共に歩んできた仲間とお互いに協力し合い、そうやって誰もがぎりぎりのところでツアーを生き抜いてきた。
果てしない苦労続きの這い上がり人生。それなのに、自信と未来への意欲は途轍もなく大きいから驚かされる。
「もっと勝ちたい。1勝や2勝で満足なんてしないよ。もっともっと勝ちたい。メジャーでも勝ちたい。ライダーカップにも出て勝ちたい。このオレに、それができないなんて思ったことは一度もない。自分の能力と可能性を疑ったことなんて、ただの一度もない」