苦しい戦いが続く石川遼が目指すゴルフとは
初日はショットが良くてパットが悪く、2日目はその逆となって噛み合わなかった。そして決勝ラウンドはエクスキューズのオンパレードになった。3日目にチャージがかけられなかった原因は風とボールに付いた泥だと言った。「5〜6アンダーで回れるはずだった。ピンは狙っていける位置だったし、グリーンはスムーズで速くなかった。悪くとも首位と6〜7打差以内になるはずだった」。
実際は首位と8打差で迎えた最終日はボギーとダブルボギーを次々に重ねる大荒れになった。18番のイーグルが唯一の見せ場。そして再びエクスキューズを連ねた。「そんなに悪いプレーではなかった。1〜2アンダーで回れるはずだった。ただ、ペナルティが多すぎた。池が2回、それにロストボール。問題はそれだけだった」。
本当に「それだけ」だったのか?強風と寒さに震えた最終日は「とにかく忍耐の日だった」とタイガー自身が振り返った。その中で大きく崩れたのだから、忍耐不足だったのではないのか?ショットやパットが「そんなに悪くない」のなら、なおさら問題はメンタル面にあったのではないのだろうか。
「目指すはW」――タイガーの常套句だ。「W」は「Win」の意。勝利のみを追い求めるタイガーであれば、勝利からほど遠い位置でのプレーとなったとき、忍耐を重ね、一打に固執するモチベーションは下がりがち。悪条件に対応し切れず崩れていった原因は、おそらくは、そこにあったはずだ。