しかし、このコロナ禍では起こるはずもない論争が起こった。試合が激減し、賞金収入が激減し、今後への不安が増大する中で、冷静な判断や思考ができなくなるケースが増えているのかもしれない。
この一件は、最終的にはシュネル選手が「ゴミ」などと汚い言葉を吐いたことをシンに謝罪したのだが、この選手に限らず誰もが、相手を批判する代わりに思いやる気持ちを抱くことができれば、そこに平和や平穏が生まれるのではないだろうか。
感染リスクが低いといわれるゴルフが他のスポーツに先駆けて再開できるのだとすれば、それはゴルフが授かった天の恵みである。そのゴルフに携わる人間は、不安定で不確かな今の世の中において、人々に少しでも希望をもたらす存在であってほしい。私はそう願っている。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)