ゴルフ界の2大スターの対戦とはいえ、18ホールのマッチに9ミリオンの優勝賞金は「バカげている」という声、入場制限した上にペイ・パー・ビューという方式では「広範囲の人々に楽しさを提供できない」という声など、批判や異論は後を絶たない。

一方、マッチの主催者であるターナー・スポーツ側は「ともあれ、こういう世紀のマッチを実現させたことに意義がある。これまでゴルフが話題に上ることがほとんどなかったブラック・フライデーにゴルフが話題になったことに意義がある」と胸を張った。

なるほど、「初」が付くモノゴトを立ち上げることに意義があるという点は大いに賛同できる。「まずは話題」に意義を見い出すことにも賛同できる。

さらに言えば、「初」が付くモノゴトには失敗も付き物。今回のペイ・パー・ビューは米国内の複数のキャリアを通じて購入と視聴ができる仕掛けだったが、一部のキャリアでマッチの生放送中に技術的問題が起こり、中継の終盤はペイ・パー・ビューを購入していなかった視聴者も視聴できる無料放送状態が期せずして起こった。

その結果、19.99ドルを支払った視聴者に払い戻しをする事態になるという混乱もあった。だが、来年、再来年、同じ事態が再び起こることは、おそらくはないわけで、そこに「初」を実現させた意義は確かにある。

私自身が思うこの「ザ・マッチ」開催の最大の意義は、ビッグな賞金が懸かっていたからこそ、そこからチャリティに回る寄付金もビッグになるという点だ。