かつて、その強さから“鬼”と呼ばれ、2度の日本ツアー賞金王に輝いたキム・キョンテ(韓国)は、アメリカツアーに行ってから、飛距離を追い求めすぎるあまりスイングを壊してしまった。あの精密機械と呼ばれたキョンテですら飛ばしを求めたくなる環境のなかで、時松は自分を見失わなかった。あくまで自分のスタイルをより磨いていく構えである。
「世界との差も分かったし、課題も見えた。海外での試合の経験は絶対無駄にしてはいけない。課題を重点的にやって、また戦えるようになって戻ってきたい」。24歳の九州男児は、愚直に“自分らしさ”をブラッシュアップして、もう一度この舞台に戻ってくることを誓った。(文・秋田義和)