昨年の「アジア太平洋アマ」で2位と惜敗した長﨑大星(勇志国際高)は、現在、オーストラリア・パースで行われたナショナルチームの合宿に参加した。1月にはハワイで行われた米国男子ツアー「ソニーオープン・イン・ハワイ」に出場し、松山英樹、久常涼らからアドバイスをもらう機会にも恵まれた。世界の舞台で戦うためには何が必要か、ハワイでの経験がそれを明確にしたようだ。
日本人最年少の16歳103日でPGAツアーの舞台に立った長﨑。ただ、そんな最年少記録よりも大きかったのは、ナショナルチームの先輩でもある米ツアーで戦う選手たちと触れ合い、技術、メンタル、さらには今後の進路まで、さまざまなアドバイスをもらったことだろう。
「久常さんからは戦略面、松山さんからはアプローチを中心に教えてもらいました。風にどうやってぶつけるのかという話はすごく勉強になったし、英樹さんとは想像していた以上に技術の差がありました」。練習ラウンドなどでトップ選手と過ごした時間は確実に成長につながった。
一方で手ごたえを感じたのはティショット。身長164センチと小柄ながら300ヤードの飛距離を持つ長﨑は、「久常さんとも、松山さんとも同じぐらいの距離でした。飛距離をさらに伸ばしつつ、アイアンやショートゲームを向上していけば、近づいていけるんじゃないかと思います」。今回の合宿ではショートゲームがテーマ。クレイグ・ビショップコーチからさまざまなアプローチのバリエーションを学び、そのドリルを持ち帰って、日本での練習に取り入れていくつもりだ。
久常、金谷拓実、中島啓太には高校卒業後、プロの道に進むのか、大学に進学するのか、進路についても相談した。それぞれにメリット、デメリットがあり、まだ結論は出ていないが「久常さんから『自分が正しいと思った選択が正しいんだよ』と言ってもらえて心強かった。今はどちらの選択肢も残していきたいと思っています」。進学の中には国内だけでなく、米国の大学という選択肢もある。
「アメリカの大学のレベルが高いのは分かっています。自分はアマチュアの大きなタイトルを取っていないし『全英アマ』や『全米アマ』のタイトルは日本人が誰も手にしていません。それを達成できれば、世界のトッププレーヤーになっていけるんじゃないかと思います」。アマチュア最高峰のタイトルを目指すには米国の大学への進学はその可能性を広げる選択になるだろう。長﨑は4月に高校2年になる16歳。まだ、考える時間は残されている。
今年は世界マチュアランキングなどの資格で「全英アマ」(7月)、「全米アマ」(8月)に出場するのが前半戦の目標。そして、10月の「アジア太平洋アマ」では「優勝したいです」とプレーオフで敗れた昨年のリベンジに燃える。長﨑が目指す世界への旅路はまだ始まったばかりだ。(文・田中宏治)
