だが、いくら欧米ツアーで奮闘しても、母国では評価されにくい。「私が子供の時は、米女子ツアーがテレビ放映されてなくて。マスターズや男子メジャーは見ることが出来たんですけど。今でも米女子ツアーは、テレビでやってないんじゃないかな?」。米ツアー放映有無の事実確認をしてないが、インドでは五輪で活躍する方が、断然、注目されるのである。
ゴルフがリオ五輪から加わったことで、国を挙げて選手強化を始まった。インド各地のあちこちのゴルフコースでジュニアプログラムが始まり、ジュニアゴルフ大会も新設された。ジュニアの女子ゴルファーも急増中だ。「五輪がなくても、人数は増えていたのですが」とアショクが前置きした上で「私が12歳以下の大会に出てた頃、女子は3、4人でした。今は30人〜40人が出ています」
インドでは、それだけ五輪に夢の価値がある。
東京五輪でインドが獲得したメダルは7個。重量挙げ女子49キロ級で銀メダルを獲得したチャヌサイコム・ミラバイには、生涯分のピザと映画チケットが無償で提供されることになった。アショクはメダルに届かなかったものの、五輪後に「ヒュンダイ自動車インド」と「Radisson Hotels America」という2社と新たなスポンサー契約も結んだ。
アショクは自身の下の世代から見られていることを自覚しているし、自分の活躍が母国の女子ゴルフの発展に貢献できることを願っている。「ただ、今年の自分の結果には、がっかりしています。去年が良かったので、今年は自分自身に期待をしてた部分がありまして。頑張ります」