ところで、「イマイチどころかイマハチ」? イマハチとはどういう意味だろう。藤井に聞くと、8割程度ということではないという。イマイチの8倍といったら分かりやすいだろうか。それほど本調子ではなかったが、「そのなかでできることは全部やり切った」という。
■体のスピードとイメージのギャップがあるから、自分の体と向き合う
「とにかくラウンド数が少なかったので、米国に行く前には週に3回くらいラウンドしました。向こうに着いてからも一人で予約できるアプリを教えてもらって、一人でラウンドに行っていました。たまに一般のアメリカ人の方と組み合わせでラウンドするのも楽しかったですよ。アメリカは住むにはいいところだなって思いました。性格的にも合っているのかな。測る単位も大きいし、1センチや1ミリの話なんてしない感じで、小さいことにとらわれているのがバカらしくなりますね。将来は体力を維持できる程度に体を作ってからアメリカに渡って、シニアツアーに参戦したい思いもあります」
今回のメジャー挑戦で41位という結果は「仕方がない」と思っているという。「くたびれている部分が多いから、こうしたいということができていない」のだとも。だが、そこで藤井は立ち止まらない。結果にとらわれて前に進めないことのほうが、よっぽどバカらしいと思えるのだろう。それはアスリートとして、いや、人として本来あるべき姿なのではないだろうか。だからこそ、藤井が見据えているゴルフにワクワクするし、これからに期待を抱いてもしまう。
「体のスピードとイメージとのギャップが埋め切れていないんです。考え方を変えなくちゃいけない。アマチュアのシニアの方たちも同じです。自分の体と向き合うことをしなくちゃいけません。これは私の実体験。私は自分の経験からしかアドバイスできないんです」
