現在、活躍している者が、今ひとつになることもあるだろう。逆に、まだ頭角を現していない選手が大暴れしているかもしれない。だが、2年下に“プラチナ世代”と呼ばれる新たな“勢力”が登場していることでもわかるように、下克上が当たり前の世界で、どれほどの選手が息の長い活躍をすることになるのだろうか。その“定点観測”は、女子ツアーの今後を占う上でも重要なことになって来る。

選手層が厚く、入れ替わりが激しいというだけでなく、ジュニア時代からゴルフだけに集中することを余儀なくされている現在の選手たちの中には「一気に稼いで早い時期に試合から離れ、女性としての幸せをつかみたい」と望む者が少なくない。「できる限り長く、試合に出続けたい」と考える選手ももちろんたくさんいるのだが、それが現実だ。当然、そこには出産という女性特有の事情もある。しかし、それだけではなく、ツアーで賞金を稼ぐ仕事と、プライベートを両立させるのは難しいと思ったり、それをするつもりがない選手もいるわけだ。

ここまでは、選手本人の希望の問題だが、当然、選手が望まないのに、試合に出られなくなることもある。実力の世界だから当たり前なのだが、その時、彼女たちがどうするのか。ツアープレーヤーとして戦い続けるための努力を続けるのか、違う形でゴルフに関わるのか、まったく別な仕事をするのか。それとも家庭に入るのか。

宮里藍は現役を引退して結婚し、横峯さくらは結婚してからも米ツアーで踏ん張っている。ジュニア時代からツアーで活躍するパイオニアで“藍ちゃん世代”と呼ばれ、業界を一変させたこのジェネレーションは、それぞれ女性として年齢を重ね、様々な人生を歩んでいる。大人なら誰でも知っているように、歳月の流れは驚くほど速い。

新成人の黄金世代の今後が、どんな風になっていくのか。女子プロたちの今後を見るうえで目が離せない。（文・小川淳子）